もしも雪が降ったなら


1999年1月 今年の成人式は昨年のような大雪にもなることもなく、今のところ暖かい日と、寒い日が繰り返されています。

ところで車椅子は雪が降ったらどうなるのでしょうか?
クラッチを使っているAさんは外を歩けるのでしょうか?

昨年の大雪の時、Aさんはタイヤチェーンも付けないで遅刻しながら も出社してきて、会社の敷地の中で雪のために車が動けなくなるハプニングがありました。幸い会社の人達が雪かきをして駐車スペースまで車を動かせましたが、もしこれが一般道であればどうなっていたことか?

山形県米沢市・山形大学付近(宍戸昌広さん提供)

もしAさんがこんな所に住んでいたらどのような生活をしていたのでしょうか?

昨年の11月。米沢へ仕事で行ったときにタクシーの運転手に聞いて見ました。なんと偶然にもこの女性ドライバーの息子さんも20歳の時に事故で脊椎に損傷を受けて現在は車椅子だそうで、思わず真剣に話し込んでしまいました。

施設にいる人達を乗せて玄関に大きな屋根のあるスーパーなどには時々行くそうです。しかし在宅の人を冬にタクシーに乗せることは滅多にないそうです。「みなどうしているのかしらね?やはり家に閉じこもっているのかしら」というわけで、実際の所は判りませんがやはり、写真をみても雪の中を気軽に外出とは行かないようです。
運転手さんの息子さんも生活の利便性とリハビリのことを考えて米沢での生活を諦めて現在は神奈川県で1人暮らしをしながら大手電機メーカーでエンジニアとして働いているそうです。神奈川県から1人で手動式に改造した車を使って時々は帰ってくるバイタリティーはあるわけで、それでも雪国は住めないということは、いかに大変な事なのかが判るような気がします。

実際私も米沢に住んだことが有りますが、一晩で1メーターもの雪が積もり朝は雪をどかさないと車までもたどり着けません。もちろん外に車を停めていれば車を雪の中から掘り出す作業もあるわけです。さらに除雪車が出動すると雪だるまのような氷の固まりを家の出入り口や車庫の前に置いていってくれるのでそれを片付けるのは健康な人でもとても大変な作業です。

 
フレーム表示に戻す